診療支援
治療

手・指切断傷
Finger and hand amputation
本宮 真
(帯広厚生病院 部長〔北海道帯広市〕)

【疾患概念】

 手・指切断は,皮膚・骨・腱・血管・神経が損傷される複合組織損傷である.組織の生着には血管吻合による血流再開が必要であり,同部での再接着を成功させるためには,約1mm程度の血管吻合の技術が必要となる.損傷レベルの分類として,指切断には玉井分類が,指尖部切断には石川分類が用いられる.指尖部再接着の場合,静脈吻合が困難な場合には術後の瀉血療法により生着が期待できるが,遠位指節間(distal interphalangeal;DIP)関節より近位の切断(玉井分類zone Ⅲ以上)では,動脈に加えて静脈路の修復が必須である.中節骨基部よりも遠位の切断(玉井分類zone Ⅲ以下)で浅指屈筋腱および伸筋腱中央索が損傷されていなければ,近位指節間(proximal interphalangeal;PIP)関節機能の温存が可能であり生着後に良好な機能が期待できる.一方で,PIP関節よりも近位の

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