【概説】
整形外科的脊椎・脊髄疾患の診断においても,他疾患と同様に問診,視触診,身体診察,画像診断の順に診察を進める.問診は重要で,診断の絞り込みに有用なので軽視すべきではない.視触診,身体診察はなおざりにされがちであるが,かいつまんで見るだけでもかなり診断に役立つ.画像診断の重要性は言うまでもないが,問診・視触診・身体診察・単純X線で疾患・罹患高位をある程度推定してCT・MRIを適切に施行することが,診断の精度を向上させるうえで重要である.
1.問診
他の疾患と同様,整形外科的脊椎・脊髄疾患の診断においても問診が非常に重要なのは論をまたない.基本情報として年齢・性別・家族歴・既往歴・職業(歴)・スポーツ歴などは必須の項目である.
職業歴は,特に現在の職業だけでなく,実際に携わっている業務を具体的に聴くことが重要である.業務に伴う特異的な姿勢・動作が症状の原因になっている可能性や,手術をする