【概説】
特発性側弯症は,女児に多く,体格が華奢で手足が長いなどの身体的特徴を有する疾患群である.また,胸椎では右凸の側弯,腰椎では左凸の側弯が多く,胸椎後弯が減少するなど弯曲の形態に共通点が多い.思春期では,弯曲による背部痛や腰痛を訴えることは少ない.発症年齢や身長,側弯の進行程度,弯曲のタイプや大きさなどにより,その治療方針や手術方法は大きく異なる.近年,手術方法を決定する場合,乳幼児期と学童期発症の早期発症側弯症(early onset scoliosis)と思春期発症の晩期発症側弯症(late onset scoliosis)に大別して検討されるのが一般的である.すなわち,早期発症と晩期発症に分類され,全く異なった治療概念と手術方法の選択が必要と考えられている.
早期発症の特発性側弯症では,いかに成長を温存させながら側弯の悪化を予防するかが治療の主な目的であり,代表的な手術療法はg