【疾患概念】
Scheuermann病は脊椎骨端軟骨症で,診断基準には後弯角が45°以上,5°以上の楔状椎体が3椎体以上ある,思春期胸椎後弯症とされている.胸椎後弯変形は痛みが少なく,学校検診でも指摘されないので,高度な変形になるまで見落とされている.日常生活・運動などで,後弯脊椎に屈曲負荷がかかれば,輪状軟骨(ring apophysis)の成長障害をみて後弯が悪化する.胸椎後弯症はclassic typeとして分類されるが,atypical typeに分類される頚椎・胸腰椎移行部に発症した後弯変形が報告されることはまれである.
【病態の背景】
運動器検診で手が床につかない体の硬い子供が,小,中学生の10~20%にも存在することが明らかになった.前屈制限があれば,椎体骨端線に過度な前方負荷がかかっており,脊椎成長障害を起こし後弯傾向になる.検診で前屈制限は指摘されても,二次検診施設では脊柱