【疾患概念】
片側の胸鎖乳突筋の線維化による拘縮が原因で,新生児・乳児期より特徴的な外観をとり,頚部可動域制限を生じる.成因には諸説あるが,解明はされていない.非外傷性斜頚の原因としては最多である.
【臨床症状】
新生児~乳児期に家人が頚部のしこりに気づいて,医療機関を受診することが多い.患側の胸鎖乳突筋に一致した頚部に腫瘤を認め,その大きさは生後2,3週でピークを迎えた後,徐々に消退する.頚部可動域は健側への側屈,患側への回旋で制限される.仰臥位では頚部を健側へ回旋する傾向があるため,健側の後頭部が平坦になっていることが多い.年長児では顔面非対称,頭部の健側への側方偏位,代償性の脊椎側弯,肩の高さの左右差を認めることがある.青年期や成人まで放置されていると,肩こり,頭痛などの自覚症状を訴えることがある.
問診で聞くべきこと
新生児期または乳児期に頚部のしこりに気付いていたかどうか,斜頚位に気