診療支援
治療

頚椎症性脊髄症
Cervical spondylotic myelopathy
小林 洋
(福島県立医科大学 学内講師)

【疾患概念】

 頚部脊柱管の初育性狭窄を背景とし,加齢退行性変化,前後屈不安定性および軽微な外傷が加わって,脊髄の機械的圧迫あるいは血行障害が生じる結果,発症する疾患である.

 初発症状としては,両手のしびれや巧緻運動障害が認められる.具体的には箸の使用,書字,衣服のボタンかけなどに困難をきたし,下肢では階段昇降(特に降りるとき)の困難を感じるようになる.重症化すると,箸が使用不可能になり,歩行困難になり,膀胱直腸障害が出現する.脊髄への圧迫の程度により重症度は異なるが,両上肢のみの初期から四肢不全麻痺へと進行する例が多い.

【頻度】

 男性の発症が女性の2倍以上で,50歳代での発症が多い.C5/6が責任高位である場合が多いが,高齢者は障害高位がC3/4とC4/5と頭側で障害される場合が多い.また罹病期間が長く,手術成績は一般的に非高齢者よりも劣る.


問診で聞くべきこと

 初発症状,発症の時期,契機を

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