診療支援
治療

胸腰椎部脊椎・脊髄損傷
Thoracolumbar injuries of the spine and spinal cord
和田 簡一郎
(弘前大学医学部附属病院 講師)

【疾患概念】

 胸腰移行部は応力が集中しやすく,骨粗鬆症性骨折を除いては高エネルギー外傷により脊椎損傷を生じる.不安定性の大きい骨折に対しては手術治療が考慮される.強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis;AS)やびまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis;DISH)の有無を確認し,これらを認めない場合,不安定性の評価として,Thoracolumbar Injury Severity Score(TLISS)system(Vaccaro AR: Spine 2005)(表20-2)を用い,治療方針を検討する.ASやDISHに生じた損傷に対しては,転位や後方要素の損傷を認める場合,手術による脊椎の安定化が必要となる.保存治療も含め,いずれの場合も早期に脊椎の安定化を獲得し,全身管理を行いながら,ADL向上のための

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