【疾患概念】
慢性腰痛は,発症から3か月程度持続した腰痛と定義される.その病態は多岐にわたるが,腫瘍や骨折など客観的に確定診断が得られる疾患が指摘されない腰痛を指す.
問診で聞くべきこと
腰痛については,痛みの部位,発症の契機,痛みを誘発する動作,安静時痛の有無,および夜間痛の有無を聴取する.下肢症状の合併の有無,併存症の有無,悪性腫瘍の治療歴,過去の骨折歴,骨粗鬆症の治療歴などを併せて確認する.腫瘍,骨折,炎症などのred flagsの除外を念頭において問診する.慢性腰痛では,家庭や職場の問題がストレス要因となり,腰痛の悪化や遷延化に関与している可能性がある.したがって,これらの点についても問診する.また,労災や交通事故との関連も,慢性化の一因となるため留意する必要がある.
必要な検査とその所見
検査は,重大な疾患を除外してred flagsを鑑別するために行う必要がある.慢性腰痛では,検査