【疾患概念】
器質的な要因で説明できない慢性化した腰痛は,心理・社会的要因,性格・人格的問題,あるいは精神医学的疾患が関与している可能性がある(「慢性腰痛の保存療法」の項→参照).
問診で聞くべきこと
腰痛の発症原因と疼痛の経時的な変化を順を追って確認する.その際,腰痛の増悪・寛解因子や治療歴,生育歴などを聴取する.社会背景として,家庭内や職場での問題は特に重要である.患者に精神医学的問題や心理・社会的要因が存在しているかどうかのスクリーニングについては,「整形外科患者における精神医学的問題に対する簡易質問表(BS-POP)」(図21-3図)が有用である.
有用な身体所見
病歴や画像検査によりred flagsを除外する(「慢性腰痛の保存療法」の項→参照).また,通常の身体所見,神経学的所見に加えて,下記の詐病鑑別テストを追加して評価する.
(1)nonorganic tenderness
検者