診療支援
治療

若年者の腰椎椎間板ヘルニア
Juvenile lumbar disc herniation
小林 洋
(福島県立医科大学 学内講師)

【疾患概念】

 腰椎椎間板ヘルニアの多くは青壮年期に発症するが,変性の軽度な10歳代からも認められる.20歳代前半までの若年者に生じるヘルニアでは形態,症状,および経過に特徴がある.

 組織学的には,線維輪と椎体との連続部の軟骨終板が骨とともに突出する場合(隅角解離)がしばしば認められる.解剖学的には,椎間関節の非対称性が関与するという報告もある.また,遺伝傾向は完全には同定されていないが,家族性を認める場合がある.


問診で聞くべきこと

 ADLに関しては,座って授業が受けられるかどうかが学生生活の質にかかわるため,必ず確認する.外傷歴やスポーツ歴を聴取し,分離症との鑑別を行う.


診断のポイント

 成人と比較して,下肢痛よりも腰痛,殿部痛を訴えることが多い.また,前屈制限が著明で下肢伸展挙上テスト(straight leg raising;SLR)が強陽性を示す傾向があり,下肢と骨盤が棒状になって骨盤

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