【疾患概念】
腰椎椎間板ヘルニアの多くは青壮年期に発症するが,変性の軽度な10歳代からも認められる.20歳代前半までの若年者に生じるヘルニアでは形態,症状,および経過に特徴がある.
組織学的には,線維輪と椎体との連続部の軟骨終板が骨とともに突出する場合(隅角解離)がしばしば認められる.解剖学的には,椎間関節の非対称性が関与するという報告もある.また,遺伝傾向は完全には同定されていないが,家族性を認める場合がある.
問診で聞くべきこと
ADLに関しては,座って授業が受けられるかどうかが学生生活の質にかかわるため,必ず確認する.外傷歴やスポーツ歴を聴取し,分離症との鑑別を行う.
診断のポイント
成人と比較して,下肢痛よりも腰痛,殿部痛を訴えることが多い.また,前屈制限が著明で下肢伸展挙上テスト(straight leg raising;SLR)が強陽性を示す傾向があり,下肢と骨盤が棒状になって骨盤も挙上される腰股伸展強直が認められる.疼痛性側弯が認められることもある.これらの特徴は,若年者では神経の緊張が強いこと,ヘルニア形態が比較的小さいことによると考えられる.特徴的な所見が揃えば,比較的容易に診断可能である.
X線では隅角解離を確認する.隅角解離が疑われる例では,CTを撮影し評価する.MRIでは膨隆型のヘルニア像を呈することが多い.
治療方針
基本的には保存的治療が原則である.膀胱直腸障害などの馬尾症状や進行性の麻痺を有する症例は手術適応である.徹底した保存療法に反応せず,就業,就学,および日常生活に支障をきたす例は手術の相対適応となる.
保存療法
スポーツ活動や重量物の挙上は避ける.安静の継続は必ずしも必要ではなく,動けるようになれば特に制限する必要はない.薬物療法に加えて,硬膜外ブロックや,神経根ブロックが有用である.
手術療法
Love変法や顕微鏡下ヘルニア摘出術をはじめ,内視
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