【疾患概念】
腰椎椎間板ヘルニアの多くは青壮年期に発症するが,変性の軽度な10歳代からも認められる.20歳代前半までの若年者に生じるヘルニアでは形態,症状,および経過に特徴がある.
組織学的には,線維輪と椎体との連続部の軟骨終板が骨とともに突出する場合(隅角解離)がしばしば認められる.解剖学的には,椎間関節の非対称性が関与するという報告もある.また,遺伝傾向は完全には同定されていないが,家族性を認める場合がある.
問診で聞くべきこと
ADLに関しては,座って授業が受けられるかどうかが学生生活の質にかかわるため,必ず確認する.外傷歴やスポーツ歴を聴取し,分離症との鑑別を行う.
診断のポイント
成人と比較して,下肢痛よりも腰痛,殿部痛を訴えることが多い.また,前屈制限が著明で下肢伸展挙上テスト(straight leg raising;SLR)が強陽性を示す傾向があり,下肢と骨盤が棒状になって骨盤