整形外科における手術用ロボットとしては,人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA),人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty;TKA),人工膝関節単顆置換術(unicompartmental knee arthroplasty;UKA),大腿骨骨折整復術,脊椎椎弓根スクリュー刺入術に対して開発が行われてきた.THAに応用されているロボットには,外科医が作成したCT画像計画に従いロボットが能動的に骨の掘削を行うActive Systemと,リーマーやボーンソーなどの手術器具の位置と方向を一定範囲以外に動かないようロボットが制御するActive Constrained Systemの2種類がある.
1986年にIBM社がTHAにおけるステム設置のための大腿骨髄腔掘削を行うActive SystemとしてROBODOCの開発を始めた.1992年に米国で初めて臨床応用され,2000年にはわが国でも臨床治験が行われた.ステム周囲骨折予防,ストレスシールディングの低減,脂肪塞栓予防などさまざまな有用性が報告され,術後10年の良好な臨床成績も報告されている.2014年にT-solution One(Think Surgical, Inc.)という新世代のシステムにかわり,FDAの承認も得て徐々に使用されてきているが,わが国では薬機法未承認である.
一方,Active Constrained SystemのRIO Robotic Arm Interactive Orthopedic System(Mako Surgical Corporation)が開発され,2006年以降米国でUKA,TKA,THAに適用された.2013年にStryker社に買収され,MAKOシステムとして世界的に普及しつつある.THAにおいては寛骨臼リーマーと
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