【疾患概念】
脚を閉じたとき膝間に間隙が生じたものがO脚,足首間に間隙が生じたものがX脚である(図24-1図,図24-2図).
小児の下肢の形態は年齢により変化し,1~2歳台にはO脚を,3~4歳台にはX脚を呈し,6歳以降は成人と同じわずかなX脚となる(図24-3図).
なお,成長に伴う生理的な形態の変化から逸脱したものを病的と扱うが,年齢ごとの大腿骨脛骨角の正常範囲内(平均±2SD)を生理的な意味でO脚,X脚とし,範囲外を病的(変形)な意味で内反膝,外反膝とする.
また,O脚には下腿内捻による内また歩行を合併することが多いが,やはり生理的なもので,経年的に減捻して8歳までに成人と同じわずかな外捻位となる.
診断のポイント
小児期のO脚,X脚はほとんどが生理的なものであるが,一部に病的なものを含むため,初診時には両下肢全長立位正面X線像を用いて鑑別診断を行うことが必要になる(表24-1図).