【疾患概念】
半月板は大腿骨顆部と脛骨プラトーの間にある線維軟骨で,円周方向に配列した密な膠原線維をtie fiberが束ねた構造を有している.この特徴的な構造により荷重の分散・伝達機能を担い,関節安定性にも寄与しているため,損傷が生じるとその力学的機能が破綻し,関節軟骨への負担が増加する.半月板は内側と外側に2つあり通常C型をしているが,外側は円板状の頻度がわが国では高く,完全型の発生率は2.2~6.5%と報告されており,正常型の半月板とは異なった構造をしている.膝関節の屈伸とともに半月板は前後に移動し,形態も変化しているため,損傷すると膝の屈伸運動やひねり動作に伴う痛み,ひっかかり感やロッキングといった特徴的な症状が出現する.外周辺部1/3にしか血行が存在しないため,いったん損傷した半月板は治癒しにくく,損傷半月板による症状は持続することが多いが,経過とともに軽減する場合や無症状の場合