【疾患概念】
滑膜骨軟骨腫症は主に関節内の滑膜組織から軟骨化成を生じ,硝子軟骨様の結節が増殖する良性の疾患である.軟骨化成が進行すると,滑膜から関節内へ遊離体を形成する.
【頻度】
膝関節に発生することが多く,女性よりも男性に好発する.好発年齢は30~50歳代で,小児に発生することはまれである.
【病型・分類】
Milgramらによる病期分類が用いられる.第1期:滑膜内の軟骨化生のみ,第2期:滑膜内の軟骨化生と関節内遊離体,第3期:関節内遊離体のみ.
【臨床症状または病態】
関節の腫脹を伴い,疼痛および可動域制限を呈する.クリックやロッキングを生じることもある.
問診で聞くべきこと
遊離体によるロッキングの症状について明らかにする.
必要な検査とその所見
単純X線像で60%以上の症例において骨軟骨片が描出される.CT像では骨軟骨片がより明瞭に描出される.MR画像は石灰化や骨化していない軟骨病変の描出