診療支援
治療

[膝]離断性骨軟骨炎
Osteochondritis dissecans of the knee
中村 憲正
(大阪保健医療大学 教授)

【疾患概念】

 膝離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans;OCD)は,10代以降の思春期に発生の多い骨軟骨病変である.性別は男性に多い.進行すると関節面内部の軟骨下骨において分離,脱落して遊離体を形成する.病因としては繰り返す関節面への剪断力などの力学的要因,血流不全による骨壊死,骨端骨化不全など諸説がある.好発部位は大腿骨の内顆85%,外顆15%でまれに膝蓋骨にも起こり,外側例では円板状半月に合併することが多い.

【臨床症状】

 初期では軟骨片は遊離せず,運動後の不快感や鈍痛が出現することもあるが,無症状の場合も多い.関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると疼痛が増強,水腫も出現し,スポーツ活動に支障を与える.骨軟骨片が遊離すると引っかかり感,轢音が出現し,可動域制限,ロッキングが生じる場合もある.


必要な検査とその所見

 初期には病変は単純X線では捉え難く,MRI検査が有

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