【疾患概念】
関節軟骨などの関節構成体の退行性疾患であり,加齢によって生じるcommon diseaseである.関節軟骨の変性・破壊と関節周囲や軟骨下骨での骨の増殖性変化があり,滑膜炎を生じる疾患である.症状には関節痛,関節水腫,可動域制限,変形などがある.疾患の発症と進行には,多因子がかかわっているが,何らかの疾患に続発して発症する場合,二次性変形性関節症,原因のない場合,一次性と分類する.四肢荷重関節(膝関節,股関節),手指関節によく発症する.
変形性膝関節症は整形外科外来で最もよく遭遇する疾患の1つである.
その原因には,加齢や性ホルモンの影響(女性に多い),人種間での差などのほか,肥満や外傷によることが多い.
【病態】
関節軟骨の表面に不整を生じ,線維化,破壊,剥離が起こる.さらには,軟骨の消失,軟骨下骨の露出,象牙質化が起こる.関節辺縁では軟骨細胞の増殖と軟骨棘形成,さらに骨化して