診療支援
治療

トピックス HTOのコンピュータシミュレーション
栗山 新一
(京都大学大学院 病院講師)

 内側型変形性膝関節症に対する関節温存手術として,内側開大式高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy;HTO)が行われている.脛骨近位内側に骨切りを加えて,骨切り面を楔状に開大することで,内反位から外反矯正を行う.過去の臨床成績より,下肢全長の荷重線が脛骨関節面の内側縁から62.5%を通るように,変形の及んだ内側荷重を外側荷重にすることで良好な除痛を得ている.しかし,下肢矯正の目標が経験則であるため,運動力学的な観点での検討がコンピュータシミュレーションで行われている(図26-28).

 ボランティアの協力を得て,股関節から足関節までの三次元筋骨格を作成し,イメージマッチングの手法で運動精度が検証されたコンピュータモデルでの検討を紹介する.荷重線が脛骨関節面の50%を通る正常膝モデル,60%,62.5%,70%,80%を通過するHTOモデルを各々作成し,歩行およびスクワ

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