【疾患概念】
脛骨内側面は皮下に存在するため,開放骨折を生じやすく,軟部組織損傷やコンパートメント症候群の発生率も高い.膝関節および足関節は変形癒合に対する許容範囲が狭いため,下肢全体のアライメントを考慮した適切な治療を必要とする.
【臨床所見と病態】
ほとんどの症例で明らかな外傷機転があり,骨折部の疼痛,腫脹,圧痛(Malgaigne圧痛),下腿の変形を認め,歩行不能となる.骨折部の異常可動性と変形から診断は容易である.受傷原因は交通外傷などの高エネルギー外傷で直達外力が脛骨に働く場合と,脛骨に対し介達外力が屈曲方向あるいは捻転として働くことによって生じる場合に大別される.高エネルギー損傷例では開放骨折やコンパートメント症候群や神経血管損傷の合併に注意する必要がある.疲労骨折もしばしばみられる.
問診で聞くべきこと
受傷機序,疼痛部位とその性状,既往症と服薬歴,受傷前のADL状態が治療方針の