【疾患概念】
脛骨と腓骨の偽関節が対象になりうるが,わが国では,脛骨に生じた場合を先天性下腿偽関節症(congenital pseudoarthrosis of the tibia;CPT)と呼ぶことが多い.CPTは先天性の偽関節症とあるが,出生時に脛骨の偽関節を認めるもの以外に,脛骨の前外側弯曲変形や出生後に生じた脛骨骨折が骨癒合せず,脛骨が偽関節となる例など,脛骨のさまざまな状態を含む.しばしば,神経線維腫症1型を合併することが多い.
【頻度】
出生14万~25万人に1人の発生率と見積もられる非常にまれな疾患である.また,神経線維腫症Ⅰ型(neurofibromatosis type 1;NF-1)の1~4%にCPTを有するとされるが,逆にCPTの55~80%はNF-1であると見積もられている.男児にやや多い.片側罹患が多いが,両側例もある.両側例の頻度はさらにまれである.
【臨床症状】