【疾患概念】
生下時より高度外反扁平足を呈するまれな先天性足部疾患である.距骨が足底面に対して垂直に近く底屈し,舟状骨が距骨の背側に脱臼しているため,後足部は尖足位,前足部は背屈回内位となり,重症例では舟底足変形を呈する.頻度は1万人に1人程度とされ,約半数が両側例である.原因は不明だが特発性が約半数で,他は二分脊椎,先天性多発性関節拘縮症,染色体異常などに伴うものである.
【病態】
舟状骨が距骨の背側に脱臼し,距骨が底内側に向いて垂直位となる.踵骨は底屈,外反し後足部は尖足位となりアキレス腱の緊張も高度である.脱臼した距舟関節周囲の高度拘縮と前脛骨筋腱,長母趾・長趾伸筋腱,長短腓骨筋腱の緊張のため前足部は背屈回内位となり,足関節底屈制限は著明である.
診断のポイント
生下時にみられる高度外反扁平足,舟底足変形で,踵は小さく後方に踵骨を触れず,アキレス腱の緊張,足関節底屈制限が著明であれば本症