1.多趾症
【疾患概要】
多趾症は,足趾奇形のなかで最も多い奇形で,胎生期に足趾が分離する時期(胎生5~8週)に何らかの異常があり本来より多く分離した状態である.人種的には黒人に多く,次いでアジア系に多い.わが国での発生率は2,000人に1~2人.多くは孤発例で片側のみにみられるが,13トリソミー症候群,Laurence-Moon-Biedl症候群,Greig頭蓋多合指症候群,Carpenter症候群,VACTERAL,Ellis-van Creveld症候群など先天性疾患の一症候として発症することもある.家族性では,主に対称性,両側発生が多く,常染色体優性遺伝形式をとる.これまでの研究でさまざまな原因遺伝子が発見されているが,多趾症単独例では,GLI3やZRS/SHH遺伝子などの関連が示されている.
【病型,分類】
これまで形態解剖学的な分類や発生学,遺伝子学的分類などさまざまな病型分類が提