【疾患概念】
Lisfranc靱帯損傷は,捻挫などの比較的低エネルギー外傷で生じる内側楔状骨と第2中足骨間の軽微な離開(subtle injury)から,転落などによる高エネルギー外傷に至るものまで存在する.Lisfranc靱帯は,Lisfranc複合体(背側靱帯,Lisfranc靱帯,底側靱帯で構成)に存在する骨間靱帯であるため肉眼では確認できず,診断や治療に難渋する.
【頻度】
足部捻挫として見逃され,慢性的な経過をたどることも少なくない.持続する疼痛で廃用症候群としての特徴を示す例もみられる.
【病型・分類】
Nunleyらの分類が多く用いられ,荷重時の足部単純X線正面像によって3つに分類される.内側楔状骨と第2中足骨間の間隙を健側と比較し,開大が明らかでないものをstageⅠ,開大が2~5mmのものをstageⅡ,開大が2mm以上で足アーチの低下がみられるものをstageⅢとしている.
関連リンク
- 今日の整形外科治療指針 第8版/上腕二頭筋腱・三頭筋腱皮下断裂
- 今日の整形外科治療指針 第8版/肘頭骨折
- 今日の整形外科治療指針 第8版/肘関節の離断性骨軟骨炎
- 今日の整形外科治療指針 第8版/Monteggia骨折
- 今日の整形外科治療指針 第8版/有鈎骨鈎骨折
- 今日の整形外科治療指針 第8版/三角線維軟骨複合体 (TFCC) 損傷
- 今日の整形外科治療指針 第8版/前十字靭帯損傷
- 今日の整形外科治療指針 第8版/二分靭帯損傷,踵骨前方突起骨折
- 今日の整形外科治療指針 第8版/Os subfibulare障害, Os subtibiale障害, Os peroneum障害
- 今日の整形外科治療指針 第8版/外脛骨障害