【疾患概念】
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)でみられる足部変形は,扁平三角状変形や外反扁平足に代表され,非リウマチ性疾患による足部変形と比較して,より重症化する.
【病態】
ほかの部位と同様に,持続する関節滑膜炎や腱鞘滑膜炎が引き起こす関節破壊や,靱帯,腱など支持組織の変性による構造破壊に加え,荷重によるメカニカルストレスが関与する.前足部では外反母趾,第2~5趾の屈趾症(ハンマー趾や鉤爪趾)や中足趾節(metatarsophalangeal;MTP)関節の背側脱臼,内反小趾がみられ,晩期では扁平三角状変形が完成して,足底や足趾背側の突出部に胼胝や鶏眼を形成する.距舟関節破壊や後脛骨筋腱の変性など,内側支持機構の破綻による外反扁平足は,重症化すれば舟底変形となり,胼胝形成や外側インピンジメントを誘発する.
問診で聞くべきこと
疼痛の部位,胼胝の有無や歩行障害の程度などを問診し,理学所見や画像検査と併せて,足部の変形がどのように痛みや機能障害に影響しているかを総合的に診断する.
必要な検査とその所見
単純X線で関節破壊を評価するが,アライメント評価は荷重位撮影で行う.活動性滑膜炎の評価には関節エコーが有用である.
診断のポイント
視診で変形の状態や胼胝の有無を観察し,触診で関節炎の状態や変形が徒手的に矯正可能かを確認する.
専門病院へのコンサルテーション
活動性滑膜炎が残存し,薬物治療の強化が考慮される場合は,リウマチ医へコンサルトする.有痛性胼胝や変形に起因する疼痛による機能障害が持続している場合や,保存治療が奏効しない場合は,リウマチ整形外科,足の外科医へコンサルトする.
保存治療
RA治療において,最も重要なことは滑膜炎に対するDMARDs治療であり,変形や関節破壊がある足部でも滑膜炎が残存している場合は,薬物治療強化の可否を検討する.装具療法では,