【疾患概念】
足関節底屈動作において,足関節後方に存在する骨組織および軟部組織が挟まる/衝突することで,足関節後方に疼痛が出現する疾患である.
【病態】
足関節に加わる圧迫力,牽引力,外傷,繰り返しの外傷,関節の不安定性により発症する.
サッカー,バレエなど足関節底屈強制されるようなスポーツ選手に多いとされる.
一度の外傷により発症する場合と繰り返しの底屈強制により発症(非外傷)する場合とがある.
最も一般的な原因は三角骨である.三角骨は足関節後方に出現する過剰骨である.また肥大化した距骨後突起(Stieda's process)なども原因のことがある.最近では画像検査や関節鏡の発達により軟部組織も原因となっていることが明らかになってきている.
問診で聞くべきこと
疼痛が誘発される動作を確認する.足関節底屈位(サッカーのキック動作,バレエのポアントなど)において足関節後方に疼痛が出現するか否か.
必要な検査とその所見
(1)単純X線検査(足関節側面像)
足関節後方(距骨後方)に三角骨あるいは大きな距骨後突起(Stieda's process)の存在を確認する(図28-47図).
(2)CT
三角骨,距骨後突起の位置およびサイズの確認を行う.
(3)MRI
足関節後方の炎症性滑膜,長母趾屈筋腱腱鞘炎や腱損傷の有無の確認する.
(4)足関節底屈テスト(他動的に足関節を素早く底屈させる)
足関節の後方に疼痛が誘発されることを確認する.
(5)FHLテスト(足関節底屈位で他動的に母趾を伸展屈曲させる)
足関節後方に疼痛が誘発されたり,母趾の引っかかり感の有無を確認する.
診断のポイント
患者の競技種目,自覚症状,画像所見,足関節底屈テストにより診断を確定する.原因は物理的要因であり,画像上異常を認めても足関節底屈テストで足関節後方に疼痛が誘発されなければ他の疾患を検討する必要がある.
治療方針
外傷後
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