2000年代から海外で小皮切による外反母趾手術の報告が増え,その1つのBösch法に準じ,わが国で井口らが第1中足骨遠位直線状骨切り術DLMO法(distal lineal metatarsal osteotomy)を報告した.日本整形外科学会外反母趾診療ガイドライン第2版より掲載され,軽度から中等度外反母趾に対して,術後早期では良好な成績が期待できるとグレードCに推奨されている.
DLMO法の適応は,保存療法に抵抗性のある軽度から中等度の外反母趾である.また外側軟部組織解離を追加することや短縮可能な骨切りの方法で,重度例にも応用することがある.第1中足骨骨頭下の小皮切で中足骨遠位を骨切りする.直径2mmのKirschner鋼線を骨切り部から遠位に向け,骨に沿わせ皮下に挿入し,骨頭を外側に移動させ,逆行性に近位骨片の髄腔内に固定する方法である.後療法は早期に踵荷重歩行を開始し,術後4~5