足部は皮下組織が菲薄で,真皮の伸展性に乏しい.小児内反足やその遺残変形,Charcot-Marie-Tooth病などに代表される麻痺足で変形が重度な症例においては,変形矯正を一期的に行う場合,変形矯正骨切り時に足部を小さくして皮膚に余裕を持たせる方法をとらなければ,術後創部に皮膚障害が生じることがある.特に前足部から中足部の短縮した皮膚が伸長する方向への一期的矯正で,無理に内固定を使用すると,軟部の緊張が強くなるため循環障害を招きやすい.
リング型創外固定器(フットリングではスクエア型)は,1.8mmのワイヤーを多数刺入することにより,薄い皮下にインプラントを留置することなく,強固に固定できるため有用である.近年,足部に特化した薄く小さなプレートなど内固定材料の発展により,リング型創外固定器の必要性は低下しつつあるとされている.しかし,リング型創外固定器を使ったほうが治療しやすい症例が少