適応
全身麻酔の維持 注意気道刺激性が強い→全身麻酔の維持にのみ使用し,導入には使用しない
用法
デスフルランとして3.0%の濃度で開始し,適切な麻酔深度が得られるよう全身状態を観察しながら濃度を調節.亜酸化窒素の併用の有無にかかわらず,デスフルランとして7.6%以下の濃度で外科的手術に適切な麻酔深度が得られる
禁忌
1)過敏症(本剤,ハロゲン化麻酔薬)
2)悪性高熱の既往歴又は血族に悪性高熱の既往歴(悪性高熱が発現しやすいとの報告)
注意
〈基本〉
①使用に際しては,麻酔技術に熟練した医師が,専任で患者の全身状態を注意深く監視
②投与中は気道を確保し,血圧及び心拍数の変動に注意して呼吸・循環に対する観察・対応を怠らない
③麻酔の深度は手術,検査に必要な最低の深さに留める
➍麻酔の影響が完全に消失するまでは運転不可
〈取扱上〉
①本剤を適切な濃度に気化させるためには,電気的な加温が必要→必ず正確な濃度の気体を供給できるデスフルラン専用気化器を使用
②乾燥した二酸化炭素吸収剤を用いた場合に一酸化炭素を産生することがあり,海外においては一酸化炭素Hb濃度が上昇したとの報告→二酸化炭素吸収剤の乾燥が疑われた場合,投与前に二酸化炭素吸収剤を新しいものと交換
患者背景
〈合併・既往〉
①脳に器質的障害(脳脊髄液圧を用量依存的に増加)
②冠状動脈疾患(心拍数増加や血圧上昇→十分な観察を行い,本剤の急激な増量回避)
③心疾患及び心電図異常〔心停止,高度徐脈,心室頻拍(torsades de pointesを含む),心室細動〕
④胆道疾患(増悪)
⑤筋ジストロフィー(悪性高熱,重篤な不整脈に至る高K血症が出現)
⑥スキサメトニウムの静脈内投与により筋硬直がみられた患者(悪性高熱,重篤な不整脈に至る高K血症が出現)
〈肝〉肝疾患が増悪
〈妊婦〉妊B3有益のみ.産科麻酔の際は,十分観察し慎重に投与(子宮筋弛緩の可能性) 〈授乳婦〉有益性を考慮