緊急処置
【1】低心拍出症候群の場合:早期に原因を究明し治療を行う必要がある。
【2】急性動脈閉塞の場合:早期に外科的あるいは経カテーテル的に血行再建を行う必要がある。
診断のチェックポイント
❶小児のチアノーゼは,チアノーゼ先天性心疾患の頻度が高く,小児循環器専門医へのコンサルトが必要である。
❷成人では低心拍出症候群や動脈閉塞が原因のチアノーゼは急性発症で,早期に診断・治療を行わなければ,生命の危機になりうる。
●定義
❶皮膚・粘膜が青紫色になる状態をチアノーゼとよぶ。
❷皮膚の色などにより異なるが,日本人では通常毛細血管内の還元ヘモグロビン濃度が5g/dL以下になると明らかになる。
【1】病歴
❶慢性の場合本人が自分で気がつくよりも,家族などの第三者に指摘されて気がつくことが多い。
❷チアノーゼがいつからあるのか,発症が急性なのか慢性なのかが診断には重要である。
【2】身体所見
❶口唇,爪床,耳,頰部隆起部でチアノーゼはわかりやすい。
❷チアノーゼが中枢性なのか,末梢性なのかで,鑑別診断が絞られる。
❸聴診所見も有用で,心雑音,ラ音から先天性心疾患を,呼吸音から呼吸器疾患の存在を疑うことができる。
❹ばち指は先天性心疾患で高頻度に認め,肺疾患でも時折認められるため,チアノーゼの鑑別のためには有用な身体所見である。急性発症の末梢性チアノーゼでは認めることはない。
【3】検査
❶血液検査:多血症(チアノーゼ性先天性心疾患・慢性肺疾患)
❷血液ガス分析・パルスオキシメーター
■測定部位による違いがあれば,四肢動脈閉塞を疑う。
■まれであるが,未治療の動脈管開存でEisenmenger症候群になった場合には,下肢のみにチアノーゼを認める解離性チアノーゼ(differential cyanosis)も存在する。
❸心電図
❹胸部X線写真:先天性心疾患・慢性肺疾患の評価。
❺経胸壁心エコー:先天性心疾患の評価。経胸壁心エコーで