緊急処置
【1】感染症には,ウイルス感染,細菌感染,真菌感染,抗酸菌感染,性感染などがあるが,緊急の外科処置を有するのは壊死性筋膜炎,ガス壊疽などの重症皮膚軟部組織感染症である。
【2】壊死性筋膜炎ではLRINEC(laboratory risk indicator for necrotizing fasciitis) scoreなども提唱されているが,それだけに頼ることなく,初診時に播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)症状を伴っていれば,あるいは,伴っていなくてもその後の進展が時間単位と急速であれば,本症と診断し対処する。
【3】ガス壊疽は病変の主座が筋層内であり,皮膚軟部組織感染症に含まれるが厳密には皮膚感染症ではない。
診断のチェックポイント
【1】病歴:いつからどのように拡大したか,何か思い当たる節はないか,痒みや痛み