診断のチェックポイント
❶頭痛の発症パターン,経過,特徴,随伴症状の確認。
❷緊急性の高い二次性頭痛の鑑別:バイタルサインの測定,身体診察,神経診察(神経学的検査),脳画像検査,血液検査を実施する。
❸一次性頭痛は,まずおおまかなタイプを鑑別し,必要に応じ,頭痛ダイアリーを記録させて,確認する。
●定義
❶頭痛はおおむね眼窩外耳孔線,項部より上方の一部または全部の痛みの総称である。
❷頭痛の性状:拍動性(ズキズキ,ガンガン),圧迫性(締めつける),穿刺様(刺すような,チクチク),えぐられるようななど多彩。
❸頭痛の持続時間:数秒~数日,連日性までさまざま。
❹頭痛を主症状とする疾病:頭痛性疾患としてまとめられており,ほかに原因となる疾患がないものを一次性頭痛,他疾患によるものを二次性頭痛とする。一次性頭痛は,片頭痛,緊張型頭痛,群発頭痛(三叉神経自律神経性頭痛)が代表的である。
❺頭痛の診断:国際頭痛学会による「国際頭痛分類 第3版」の診断基準に従う(表1図)。
【1】病歴
❶頭痛患者の診療では,問診,病歴聴取がきわめて重要である。神経画像検査,生理検査,血液検査は二次性頭痛の診断や除外には有用であるが,一次性頭痛のタイプの鑑別診断には無力であり,一次性頭痛の診断は頭痛の性状や随伴症状など臨床的特徴から診断するためである。
❷第1に緊急性の高い二次性頭痛の可能性の有無と,一次性頭痛であればおおまかにどのタイプになるかを見極める。一次性頭痛の鑑別では,片頭痛があるかどうかに注意して問診する。
❸診察に際し,まず患者に自由に自分の頭痛について話してもらう。多くの患者は3分以内,半数以上は1分以内に話を終える。冗長になる場合は,適宜質問を入れ,経過や頭痛の特徴を整理する。
❹頭痛の発現時の状況を聴取し,これまでにも同様の頭痛を繰り返し経験しているかどうかを確認する。
■これまでに経験がない頭痛が比較的最近発現
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