緊急処置
【1】攻撃的・暴力的行為は,周囲の人々や対応する医療スタッフの脅威となりうる行動である。それゆえ,臨床的対応では,その脅威に備える体制が整備されていること,すなわち患者や関与する人々の安全が確認できていることが前提になる。
【2】具体的には,対応可能な隔離室などの設備,十分な人数の医療スタッフの確保などの条件が満たされることである。さらに,応援要請や警察への通報の体制が必要となる場合がある。
【3】攻撃・暴力のリスク評価が対応の第1ステップである。ここでは,診察時における精神運動興奮,攻撃性,衝動性のレベルの評価,これまでの攻撃・暴力の既往〔その回数や程度(相手に外傷を負わせているか否かなど),発生状況(もしくは状況依存性の有無)〕の聴取が重要である。
【4】【3】のような対応がなされたうえで,身体状態の確認と併せて,患者の訴えの聴取や治療の説明をする作業が進められる。