緊急処置
いびきに関しての緊急処置は原則的にはない。ただしいびきが間欠的に途絶え,無呼吸状態が続いているときは可及的すみやかに夜間睡眠PSG(polysomnography)検査などを受けることが推奨される。
診断のチェックポイント
●定義:おおむね睡眠中に呼吸に伴って上気道で発生する異常音であり,典型的には呼気中に発生するが吸気にも生じることがある。いびきは,疾患としての確固たる診断基準があるわけではない。
【1】病歴
❶いつからいびきが発症しているのか。何歳頃から発症しているのか。
❷いびきが出始めた時期
■小児の場合:口蓋扁桃,咽頭扁桃肥大の指摘はあったか。もしあれば手術はしたのか。アレルギー性鼻炎はあるか。肥満はあるのか。いびき中に呼吸がとまることはないか。日中,怒りやすい,落ち着きがない,ボーッとしているなどの症状はないか。
■成人の場合:肥満はあるのか。いつ頃から太ったか。鼻閉はあるか。幼少期に口蓋扁桃肥大もしくはアデノイドがあるといわれたことはないか。いびき中に呼吸がとまることはないか。昼間の過度の眠気はないか。
【2】身体所見
❶アデノイド顔貌かどうか。〔→口蓋扁桃肥大,咽頭扁桃肥大,閉塞型睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)〕。口腔所見で口蓋扁桃肥大があればOSAも疑う。
❷小額かどうか(→OSA)。口腔所見で口蓋扁桃肥大があれば強くOSAも疑う。
❸鼻中隔弯曲,下鼻甲介の肥厚はあるか(→鼻呼吸障害,OSA)。鼻鏡にて鼻内を観察する。
【3】検査
❶必須
■夜間睡眠PSG検査(代用にて簡易睡眠呼吸検査にていびきの回数も計測できるものもあり)(→OSA)。
■セファロメトリー(頭部X線規格写真計測法):小下顎の有無や,咽頭扁桃肥大の有無などがわかる。3歳以下だと撮影しづらいので,顔面側面X線写真(R→L)で代用する。(セファロメトリーの設備がない場合は顔