緊急処置
急性の麻痺,意識障害,解離性障害の診断に反射の診察は有用である。
【1】処置が急がれる疾患としては脳卒中,脊髄梗塞・出血が挙げられる。
【2】意識障害患者の診察においては,四肢の腱反射消失+Babinski徴候陽性は,運動野のBetz細胞を含む広範な大脳皮質機能低下を意味する。バイタルサインの評価と,尿素窒素,クレアチニン,血糖,アンモニア,電解質異常のチェックをする。
診断のチェックポイント
❶患者が反射の異常を主訴として来院することは考えにくい。著しく反射が亢進した状態のクローヌス(足関節背屈,膝関節屈曲で,下肢に律動的なふるえが生じる)は主訴となる可能性がある。
❷意識障害患者や,運動麻痺,運動失調,感覚障害,自律神経障害を訴える患者の診察で反射を評価することになる。
❸患者の協力がなくても反射を診ることができるので,意識障害があっても診察が可能である。また,解離性障害(転換性障害)の