診断のチェックポイント
❶腰背部痛の初期診断(トリアージ)
■腰背部痛はきわめてありふれた愁訴である。その多くは保存療法で徐々に軽快するが,まれに生命にかかわる重大な疾患のサインの場合がある。初期診断においては,これらの危険なサインを的確に見きわめることが肝要である。
■初期診断において腰背部痛を3つのカテゴリーに分類(トリアージ)する(表1図)。
❷初期診断においては,カテゴリーAとBの腰背部痛を的確に鑑別し,迅速な検査の施行や他診療科へのコンサルテーションを行う。カテゴリーCの腰背部痛に対しては,運動療法を中心とする保存的加療を行うことと,特に心配する必要のない腰痛であることを適切に患者に伝えることが肝要である。
❸トリアージのためには以下の問診,理学所見・神経学的所見の把握を的確かつ迅速に行うことが必要である。
【1】病歴:腰背部痛の診断において病歴の問診は最も重要な位置を占める。問診によりある
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