診療支援
診断

換気機能障害
Ventilatory Disturbance
橋本 修
(湘南医療大学保健医療学部教授)

 大気中の酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する呼吸の換気運動の障害は,拘束性換気障害と閉塞性換気障害に分類され,スパイロメトリーの値によって決定される。特に,呼吸困難を訴える疾患の鑑別と診断にスパイロメトリーは重要な検査である。

診断のチェックポイント

定義

❶閉塞性換気障害

気道の狭窄や閉塞で気流が制限された場合にみられる。

代表的な疾患は慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)である。COPDでは気流閉塞が進行すると残気量が増加し全肺気量が増加する。さらに,残気量が増加すると肺活量が低下し混合性換気障害を示すが,根本は閉塞性換気障害である。

❷拘束性換気障害:肺の弾性収縮力上昇あるいは胸郭の弾性収縮力上昇による肺の拡張性が障害された場合,横隔神経障害や呼吸筋障害による呼吸筋の収縮力が障害され肺の拡張性が障害された場合にみられる。

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