救急医療の最前線である救急外来(emergency room:ER)は医療機関の門戸として非常に重要である。ここにはさまざまな急性期患者や易感染宿主が来院するのみならず,諸外国からの帰国者,訪日旅行者など,世界中から感染性疾患が持ち込まれる危険性がある。その来院形態も自ら外来受診するウォークイン,現場から救急車による搬送,他医療機関からの転院搬送,海外からの医療搬送など多岐にわたり時々刻々とさまざまな脅威にさらされており,これらの患者がどのような感染リスクを持っているかを事前に知ることはきわめて困難である。すなわち,ERは患者が感染性病原体を有しているか不明の状態で,患者の受入・診療を行わなければならず,感染対策上のリスクはきわめて高いといえる。一方で,ERを受診する患者の重症度・緊急度は多彩であり,その診療には日常的に早急な判断が求められる。初療時の患者情報が乏しい中で,各種の病原体の
診療支援
診断
■救急医学領域の最近の動向 救急外来(ER)における感染対策(感染制御:infection control)
初出:今日の診断指針 第8版
発行:2020年3月
収載:医学書院 医療情報サービス(2024年11月7日 掲-ID:sin_03808-08_a003b001z0001)
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