診断のポイント
【1】外傷患者に対する初期診療は,primary surveyとsecondary surveyの2段階に分けたアプローチを行う。
【2】Primary surveyにおいては,損傷の確定診断を行うのではなく,ABCDEアプローチ〔気道(A),呼吸(B),循環(C),意識障害(D),体温(E)〕による生理学的異常の評価と蘇生要否の判断,生命危機を回避するための蘇生を行う。
【3】Secondary surveyにおいては,生命危機の回避後に全身の損傷に対する系統的検索を行う。
【4】Primary surveyにおいて中枢神経機能に切迫する異常を認めた場合には(「切迫するD」),確実な気道確保とともにsecondary surveyの初期検査として頭部CTを施行する。
緊急対応の判断基準
【1】受傷機転(Mechanism of injury),損傷部位(Injury site),現場