診断のポイント
【1】外傷歴:土壌や糞便,汚水に汚染された外傷や,「搔き壊し」「ひび割れ」などの小外傷。
【2】局所所見
❶初期では皮膚所見は乏しいが,強い疼痛やしびれを呈し,進行性に水疱形成と周囲の暗紫色が出現。
❷浮腫,湿潤,握雪感(筋層内や皮下でのガスの産生により,病変部を圧迫すると雪を握りしめるような弾力がない感触)。
【3】重篤な全身症状:高熱,虚脱,意識障害など。
【4】画像診断:単純X線写真,CT,MRIで,筋層内を中心としたガス像所見。
【5】血液生化学検査:白血球やCRPの著しい増加。
【6】微生物学的検査:Clostridium属の細菌や嫌気性菌などのガス産生菌の同定。
緊急対応の判断基準
【1】高熱を伴う局所の強い疼痛やしびれがあれば疑い,すみやかに広域抗菌薬の投与を開始する。
【2】Clostridium属の細菌感染では,高圧酸素療法が奏功することが多いが,優先すべきは迅速な広域抗菌薬の