診療支援
診断

特発性正常圧水頭症
Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus (iNPH)
間瀬 光人
(名古屋市立大学教授・脳神経外科)

診断のポイント

 以下のすべての項目を満たした場合,特発性正常圧水頭症(iNPH)を疑う(possible iNPH)。その時点で,脳神経内科あるいは脳神経外科に紹介するのが望ましい。

【1】60歳台以降に発症。

【2】歩行障害,認知障害および排尿障害の1つ以上を認める。

【3】脳室拡大(Evans index>0.3)(図1)。

【4】他の神経疾患,非神経疾患で症候のすべてを説明しえない。

【5】脳室拡大をきたす可能性のある先行疾患(くも膜下出血,髄膜炎,頭部外傷,先天性水頭症,中脳水道狭窄症など)がない。

症候の診かた

 歩行障害が最も多く(約90%),ついで認知障害が多い。3徴がそろうのは50~60%。

【1】歩行障害:歩幅が狭い,すり足,開脚,方向転換時に不安定。

【2】認知障害:自発性,集中力,遂行能力の低下が顕著。

【3】排尿障害:尿意切迫,尿失禁。

検査所見とその読みかた

【1】頭部MRI(CT)

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