診断のポイント
診断基準を表1図に示す。
【1】進行性筋力低下に加えて特徴的な筋症状として眼瞼下垂,眼球運動障害を認める。
【2】脳卒中様症状,けいれん,小脳性運動失調,ミオクローヌス,精神症状などの中枢神経症状を認める。
【3】しばしば低身長,糖尿病,難聴を合併する。
【4】血中・髄液中の乳酸高値。
【5】母系遺伝を示唆する家族歴。
緊急対応の判断基準
以下の場合には高次医療機関へ搬送する。
【1】感染や嘔吐・下痢,脱水などを契機として,重篤な代謝性アシドーシスをきたした場合。
【2】意識障害,てんかん発作,脳卒中様発作を呈する病型の場合。
症候の診かた
【1】病型別の症候の特徴:代表的なミトコンドリア病として以下の4つの病型が挙げられる。
❶慢性進行性外眼筋麻痺(chronic progressive external ophthalmoplegia:CPEO):進行性の眼瞼下垂,全方向性眼球運動障害を呈す