診断のポイント
【1】基礎疾患としては,各種原因による肝硬変症,特発性門脈圧亢進症,肝外門脈閉塞症,Budd-Chiari症候群,肝癌や膵癌など悪性腫瘍による門脈閉塞,脾腫を伴う骨髄増殖性疾患などがある。
【2】門脈圧亢進症をきたす病態が疑われた際には,積極的な上部消化管内視鏡検査を行う。
【3】造影CT検査でも,食道・胃静脈瘤の存在は診断できるが,治療適応を判断するためには上部消化管内視鏡検査が必須である。
緊急対応の判断基準
【1】出血例(待期例も含む)への対応:可及的すみやかに内視鏡を行い,可能であればそのまま止血治療を行う。
【2】予防例での治療適応:食道静脈瘤・胃静脈瘤のいずれも,静脈瘤形態が連珠状で中等度の大きさ(F2)以上またはred color(RC)サイン陽性例(図1図)。また,胃静脈瘤では静脈瘤上の粘膜にびらんを認めた際にも治療を考慮。
【3】硬化剤の適応:ethanolamine