診断のポイント
【1】多くは検診などで偶然発見され無症状であるが,破裂・出血・壊死をきたした場合や腫瘍のサイズが大きい場合には症状を呈することがある。
【2】臨床症状のほかに悪性腫瘍の既往,年齢に応じた画像・血液検査,肝炎や輸血の既往,女性ホルモン剤などの内服歴,経過を総合して診断する。
症候の診かた
【1】悪性腫瘍との鑑別:発見された場合,悪性腫瘍との鑑別をまず考えることが重要である。特に脂肪を含む腫瘍では高分化型肝細胞癌との鑑別が重要である。
【2】有症状の場合:その症状の原因が肝腫瘍なのかを判定し,手術などの治療を考慮する。
【3】悪性転化:まれであるが,肝細胞腺腫や肝血管筋脂肪腫など一部の良性腫瘍で起こりうる。
検査所見とその読みかた
【1】肝機能検査:正常であることが多い。腫瘍による圧迫をきたした場合には,胆道系酵素の上昇を認めることがある。
【2】腫瘍マーカー:高値の場合は悪性腫瘍を考える。
【3