診断のポイント
【1】若年発症の高血圧あるいは急速に発症した高血圧。
【2】重症高血圧,治療抵抗性高血圧,あるいはそれまで良好であったコントロールが難しくなった高血圧。
【3】血圧値に対して臓器障害が強い高血圧。
【4】原因疾患に特異的な病歴,身体所見の詳細な聴取と,それに基づく適切な検査。
【5】高血圧をきたす併用薬剤,漢方薬,健康食品。
症候の診かた
二次性高血圧は,通常の降圧治療で目標血圧を達成することが難しい重症高血圧や治療抵抗性高血圧を呈することが多い。しかし,原因疾患を同定し治療することで効果的に降圧することが可能である(表1図)。したがって,特徴的な病歴・症候から積極的に疑い診断を進めることが重要である。
【1】腎血管性高血圧(→)
❶腹部血管雑音が特異的所見である。
❷両側性狭窄ではレニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬投与により急激な腎機能障害,過剰降圧をきたすリスクが高いため,あらかじめ注意深く聴診する。
❸心臓,脳,末梢動脈など他の動脈硬化性疾患の合併に注意する。突発性肺水腫の原因となることがある。
【2】原発性アルドステロン症(→):Ⅱ度以上の高血圧・治療抵抗性高血圧(特に若年者),低カリウム(K)血症や低マグネシウム(Mg)血症を伴う高血圧,40歳未満での脳血管障害既往,高度の臓器障害を伴う高血圧,睡眠時無呼吸症候群で積極的に疑う。
【3】褐色細胞腫・パラガングリオーマ(→):発作性の血圧上昇で,頭痛,動悸,発汗,顔面や四肢の蒼白を伴う場合に疑う。
【4】Cushing症候群(→)
❶中心性肥満,満月様顔貌,皮膚線条,皮膚菲薄化,多毛,痤瘡などのCushing徴候が特徴である。
❷糖尿病,脂質異常症,骨粗鬆症の合併が多い。
【5】先端巨大症:四肢先端の肥大,前額部突出といった特徴的身体所見から疑う。
【6】甲状腺機能亢進症(→):甲状腺腫,頻脈,心房細動,発汗,振戦,食欲亢進,体
関連リンク
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- 今日の診断指針 第8版/原発性アルドステロン症
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- 今日の診断指針 第8版/Cushing症候群
- 今日の診断指針 第8版/甲状腺機能亢進症
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- 今日の診断指針 第8版/本態性高血圧
- 今日の治療指針2023年版/高血圧性腎障害(腎硬化症,悪性高血圧)
- 今日の治療指針2023年版/腎血管性高血圧症
- 今日の治療指針2023年版/原発性アルドステロン症
- 今日の治療指針2024年版/二次性高血圧症
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス/19 二次性高血圧症
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