診断のポイント
【1】亜急性の臨床経過(発熱,乾性咳嗽)。
【2】細菌性肺炎様の浸潤影が非区域性多発性に分布する画像所見。
【3】血清中の間質性肺炎マーカー上昇。
【4】気管支肺胞洗浄液中リンパ球増多と末梢気腔内のポリープ型線維化所見。
【5】他の特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)と二次性器質化肺炎の除外診断。
症候の診かた
【1】臨床経過:亜急性での経過(数週から数か月)で発症し進行する。
【2】自覚症状:発熱,乾性咳嗽で始まり,進行すると呼吸困難を伴う。
【3】身体所見:特徴的な所見に乏しく,胸部で捻髪音を聴取しないこともしばしば(50%程度)。ばち指は認めない。
検査所見とその読みかた
【1】血液検査:CRP上昇,総白血球増多,好中球増多。間質性肺炎マーカーのうち,SP-AとSP-Dが上昇しKL-6が基準値内のことが多い。
【2】呼吸機能検査:拘束性換気障害,拡散障害を認め,進行すると低酸素血症を認める。
【3】胸部X線写真(図1図):両側性または一側性に多発する浸潤影。経過中に陰影の局在が移動することがある(10~50%)。
【4】胸部CT(図2図):気管支透亮像(air bronchogram)を伴い非区域性かつ多発する濃い浸潤影。時に濃い浸潤影がすりガラス影をリング状に取り囲む所見(reversed halo sign)を約20%に認める。
【5】気管支肺胞洗浄(BAL)液:総細胞数とリンパ球比率が増加。CD4/CD8が減少。
【6】病理組織検査:経気管支鏡下肺生検(TBLB)または胸腔鏡下外科生検で検体を得る。
❶小葉中心部の末梢気腔内のポリープ型線維化,および,肺胞壁のリンパ球または形質細胞浸潤を特徴とする。
❷病変は斑状に分布し,背景の肺胞構造は保たれ,蜂巣肺や硝子膜はみられない。
確定診断の決め手
【1】「特発性間質性肺炎診断と治
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