診断のポイント
膠原病でみられる固有の肺病変は,間質性肺炎,気道病変,血管病変,胸膜病変とさまざまであり(表1図),さらに,間質性肺炎は,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)に準じて各種組織パターンに分類され,その頻度は原病によって違いがある(表2図)。
【1】基礎疾患として膠原病の存在。ただし,肺病変が膠原病発症に先行することもあるので注意が必要。
【2】乾性咳嗽や労作時呼吸困難。聴診上のfine crackles。
【3】画像所見における網状影や蜂巣肺などの間質性肺炎を示唆する所見。
【4】呼吸機能検査における拘束性換気障害と拡散能低下。
【5】呼吸器感染症や薬剤性肺障害などの除外。
緊急対応の判断基準
【1】急速に進行し,呼吸不全を呈する急性型の間質性肺炎に対しては,直ちに専門施設へ移送し,早急な対応が必要となる。
【2】筋症状に乏しい皮膚筋炎(clinically amyopathic dermatomyositis:CADM)や全身性エリテマトーデスなどでは,急性型の間質性肺炎を合併することが知られている。
症候の診かた
膠原病の所見に加え,以下の症候を認める。
【1】自覚症状
❶乾性咳嗽,労作呼吸困難。ただし,初期には無症状。
❷急性型では発熱を伴うこともある。
【2】理学的所見
❶Fine cracklesを聴取。
❷慢性型ではばち指を認めることもある。
検査所見とその読みかた
【1】血液検査
❶それぞれの膠原病でみられる各種自己抗体が陽性。
❷KL-6,SP-Dなどの上昇。ただし,器質化肺炎(organizing pneumonia:OP)パターンを示す場合は,KL-6の上昇が乏しい。
【2】画像検査
❶高解像度CT(HRCT)では,表2図のそれぞれの組織パターンに対応する画像パターンを呈する。
❷びまん性肺胞障害(diffuse alv
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