診断のポイント
本疾患の病型は臨床像により週から月単位で経過する「急性」と年単位に経過する「慢性」に分類される。急性の診断基準を表1図に示す。
【1】抗原曝露に関連した症状がある。曝露環境から離れると軽快する。
【2】鳥の飼育,羽毛製品の使用,自宅環境(雨漏り,腐木),職場環境。
【3】特異抗体やリンパ球刺激試験などの免疫学的所見が陽性。
【4】病理学所見
❶肉芽腫形成
❷胞隔炎
❸Masson体
【5】胸部CT所見:小葉中心性粒状影,汎小葉性すりガラス影,モザイク分布。
症候の診かた
【1】自覚症状
❶急性症状:発熱,悪寒,咳嗽,呼吸困難,全身倦怠感。
❷慢性症状:咳嗽,呼吸困難のみとなる。
【2】他覚症状
❶全例で吸気末期の捻髪音(fine crackles)を聴取する。
❷慢性例ではばち指を30~50%の症例で認める。
検査所見とその読みかた
【1】血液検査
❶KL-6やSP-Dは急性では著明に上昇し,慢性では中等度の上昇を示す。抗原曝露の増減で変動する。
❷軽度のLDH上昇や赤沈値亢進,好中球増多,CRP陽性を認める。
【2】肺機能検査
❶拘束性障害(VC,FVCの低下)と拡散能障害(DLcoの低下)を示す。
❷動脈血ガス分析:低酸素血症AaDO2の開大を認める。
❸6分間歩行試験:労作時SpO2低下を認める。
【3】病理検査
❶急性過敏性肺炎:リンパ球性胞隔炎,非乾酪性類上皮肉芽腫,肺胞腔内器質化(Masson体),細気管支炎を認める(図1図)。
❷慢性過敏性肺炎
■器質化肺炎(organizing pneumonia:OP),非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP),通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)の病理組織パターンを呈する。
■加えて小葉中心性線維化(centrilobular fibrosis)および
関連リンク
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