[Ⅰ]全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎病変(ループス腎炎)††
診断のポイント
【1】ループス腎炎は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)のさまざまな臓器障害のうちでも最も頻度が高く,ループス腎炎の合併はSLE患者の予後を左右する。
【2】SLEは20~40歳代の女性に好発する。ループス腎炎のほか,発熱,皮疹・関節症状,精神症状などさまざまな症状と,汎血球減少,リンパ球減少,低補体血症,などの所見が見られる。
【3】ループス腎炎は,免疫複合体が糸球体内皮下,上皮下,メサンギウム領域に幅広く沈着することにより生ずる。
症候と検査所見の診かた
【1】腎所見としては,さまざまな程度の検尿異常(腎炎性尿所見)と腎機能低下があり,急速進行性腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis:RPGN)やネフローゼ症候群を