診療支援
診断

急性腎盂腎炎・慢性腎盂腎炎
Acute Pyelonephritis and Chronic Pyelonephritis
阿部 貴弥
(岩手医科大学教授・泌尿器科学講座・腎・血液浄化療法学分野)

[Ⅰ]急性腎盂腎炎

診断のポイント

【1】尿検査にて膿尿,細菌尿を認める。また尿培養検査は原因菌の証明と薬剤感受性を調べるため必須である。

【2】悪心や発熱など全身症状と膀胱刺激症状や肋骨・脊柱角部圧痛(CVA tenderness),叩打痛など局所症状を認める。

【3】基礎疾患の有無により,基礎疾患を有しない「単純性」と基礎疾患を有する「複雑性」に分類される。

【4】尿路閉塞による水腎症,気腫性腎盂腎炎,膿腎症など泌尿器科的ドレナージが必要となる病態の鑑別に画像検査が有効である。

【5】敗血症に移行する危険性が高い。

緊急対応の判断基準

 腎盂腎炎は敗血症に進展する危険性が高く,的確な重症度判定と治療選択が重要である。

【1】外来治療か入院治療かの判定を以下により行う。

❶ショックを呈していない。

❷全身性炎症性反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIR

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