内分泌疾患は,視床下部,下垂体,甲状腺,副甲状腺,副腎,性腺などの内分泌腺から分泌されるホルモンの過剰あるいは作用不足によって生じる。また,これらの内分泌腺に生じる腫瘍においてはホルモンの過剰分泌の有無とともに悪性度も問題になる。さらには内分泌腺以外の腫瘍でホルモンが産生される場合もある。患者の症状や血液検査からホルモンの過不足が疑われる場合には,まずはそのホルモン値を測定し,その値に異常を認めれば,MRIやCT,エコーといった画像検査で該当する臓器における器質的な異常の有無を確認する。また,基礎状態におけるホルモンが低値ならホルモン分泌を刺激する負荷試験を,ホルモンが高値ならホルモン分泌を抑制する負荷試験を行う。さらに,遺伝子変異による疾患を疑う場合には家族歴を聴取するとともに,遺伝子検査の施行を検討する。
上記の診断のプロセスは当然ながら内分泌疾患を疑うところから始まる。しかしながら