診断のポイント
【1】比較的硬いびまん性甲状腺腫。
【2】成年女性に多く,男女比は1:10~20。
【3】甲状腺自己抗体〔抗サイログロブリン(Tg)抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体など〕が陽性。
【4】甲状腺超音波(US)検査での内部エコーの低下や不均一。
【5】約25%に甲状腺機能低下症。
症候の診かた
【1】甲状腺腫:典型例ではびまん性に,比較的硬く(弾性硬から石様硬)腫大する。大きさはさまざまで,萎縮して触知しないものもある。
【2】甲状腺機能低下症に陥ればその特徴的な症状と身体所見を呈する(→)。
検査所見とその読みかた
【1】抗甲状腺TPO抗体(マイクロゾーム抗体):本症に対する陽性率(感度)は82~85%。抗甲状腺マイクロゾーム抗体は凝集法で測定され,抗甲状腺マイクロゾーム抗体半定量(マイクロゾームテスト)とよばれる。
【2】抗Tg抗体:本症に対する陽性率(感度)が抗TPO抗体より高く9